飲食店は参入障壁が低く比較的簡単に始められるということで、なにか事業を起こしてみようと思った時に選ばれやすいものです。
しかし、その経営は簡単ではなく多くの人がすぐに店を畳むことになってしまう現実を理解しておかなければなりません。
美味しければそれで儲かるわけではない
飲食店経営の難しいところは、美味しければそれで儲かるわけではないということです。
世の中には美味しいにもかかわらず潰れてしまう店はたくさんあり、その一方で味は大したことがないのに、続いている店もたくさんあります。
当たり前のことですが、不味いよりは美味いほうが良いのは間違いありませんが、美味しければそれだけで成功をするほど甘い世界ではありません。
現実的に不味い店というのは少なく、大半の店は及第点に達しているということになります。
消費者からすれば及第点さえあれば、そこそこ満足をすることができ、味だけで選ばれるには他にはないオンリーワンの要素が必要となってきます。
どこの店でも独自性を出そうとしているわけですから、そのような競争を勝ち抜くのは簡単なことではなく、はっきり差をつけることができなければ、美味しいけれども売上がないという店が出来上がってしまうのです。
プロであっても失敗しうるという現実がある
味だけで勝負ができるわけではないということは、経営センスが問われることになるわけですが、多くのライバルが参入してくる世界だけに、素人が思いつきで上手くいくものでなければ、プロであっても失敗しうるという現実があることも忘れてはなりません。
飲食店としてある程度のレベルがあれば、後はどのように運営をしていくかが明暗を分けることになりますが、これは非常に難しいものです。
一時期は調子が良くても、ある日を境に客足がばったり途絶えてしまうということは、決して珍しい話ではありません。
ブームもあるので、ある時急に流行ることもあればブームが過ぎれば閑古鳥がなくというのは誰もが目にしたことのある光景でしょう。
立地によってはかなり安定させることができるのは事実ですが、よほどの好立地でもなければ、ちょっとしたことで不安定になってしまうのが難しいところです。
個人や資金力が少ない企業にとっては、軌道に乗る前にショートしてしまったり、見切り時を誤ってしまいやすいという問題もあります。
店の評判はまずまずなのに安定するほどの来客はなく、少しずつ客足が増えてきているにも関わらず資金がショートしてしまい店を続けることができなくなってしまうということもあれば、資金が少ないがゆえにやり直しが難しく早めに見切るべきだったのにいたずらに損失を広げてしまうこともあります。
失敗する確率のほうが高い
十分な余裕を持って開店をするのは鉄則といえども、実際にそれだけお金に余裕があるケースは多くありません。
経営をしていれば想定外のことは多々起こるものであり、想定外のことが起こったときには資金の少なさにないてしまうことになります。
また、飲食店に限らずビジネスというのは失敗する確率のほうが高いわけですから、駄目だと思った時には早々に見切りをつけることが傷口を広げないために重要となるのですが、やり直しがきかないとなれば、駄目だと思っても見切りをつけるのは難しいものです。
このように資金面で難しい部分は大きく、安易な気持ちで始めると虎の子を失ってしまうだけの結果となってしまいます。
このように飲食店経営というのは非常に難しいものですが、それでも多くの人が始めるのは参入障壁の低さと、成功をしたときのリターンが大きいからと言えるでしょう。
まとめ
ビジネスは常にリスクとリターンを天秤にかけて、リスクよりもリターンが大きいと判断した上で始めるものなので、その辺の見極めをしっかりすることがポイントになります。